スタイリストとファッションコーディネーターの違いとは?

スタイリストとファッションコーディネーターは、「同じ仕事内容だ」と思われがちですが、実は全く異なる職業です。そこでこの記事では、スタイリストとファッションコーディネーターの違いについて、仕事内容や活動場所、年収など、さまざまな項目を比較し紹介します。
目次
スタイリストとファッションコーディネーターの違い
スタイリストとファッションコーディネーターのそれぞれの特徴について、以下の表にまとめました。
| スタイリスト | ファッションコーディネーター | |
| 主な仕事内容 | モデルや芸能人など個人に合わせた衣装や小物のコーディネートを提案する。撮影や、イベント時のスタイリングを担当する。 | 主に一般消費者に向けて、店舗で着こなしや、色、素材の選び方をアドバイスする。ショップや企業の販促活動にも関わる。 |
| 活躍する場所 | テレビや雑誌などの撮影現場 | アパレルショップ、百貨店、商社、企画会社など |
| 担当相手 | モデルやタレントなど芸能人 | 店舗などに来店する一般消費者(個人) |
| 求められるスキル | ● ファッションセンス
● コミュニケーション能力 ● 情報収集力 ● 体力と忍耐力 ● トレンドの把握力 |
● ファッション理論知識
● コミュニケーション能力 ● プレゼン力 ● 色彩感覚 |
| 必要資格 | なし | なし |
| キャリア | 1.アシスタント
↓ 2.駆け出しスタイリスト ↓ 3.中堅スタイリスト ↓ 4.トップスタイリスト |
1.店舗スタッフ
↓ 2.店長 ↓ 3.エリアマネージャー ↓ 4.本部バイヤー |
| 年収 | 初任給で約200万~300万
独立で約500万~1000万など幅が広い |
約280~500万円が一般的
企業規模や経験によっては500万以上も可能 |
それぞれの項目については、後ほど詳しく紹介します。
スタイリストとは
ここからは、スタイリストについて主な仕事内容や活躍場所、必要なスキルなどを詳しく解説します。
主な仕事内容
スタイリストとは、テレビや雑誌などに出演するタレントや俳優の衣装をコーディネートする職業です。まず、出演する番組や雑誌のコンセプトに合わせ、ディレクターや編集者と打ち合わせを行い、衣装や小物を組み合わせたスタイリングを提案します。
コーディネートするだけでなく、ブランドから衣装をレンタルしたり、必要に応じて購入した衣装を手配したりするのも重要な業務です。また、調達した衣装のサイズや状態を確認し、撮影やイベントでスムーズに使用できるように管理するのも仕事です。撮影後は衣装の返却やクリーニング管理も行い、次の撮影でも使用できるようにします。
そのほか、一般の人を対象に特別な日のファッションや、その人に似合うコーディネートを提案する「パーソナルスタイリスト」として活動することもあります。現場での臨機応変な対応力や流行の知識、細やかな管理能力が求められる、幅広いスキルを活かす職業です。
活躍する場所や業界
スタイリストが活躍するのは、テレビや雑誌といったマスコミ業界です。タレントや俳優、アイドルといった芸能人、モデル、著名人などがテレビに出演したり、雑誌に掲載されたりする際の衣装をコーディネートします。
主な業務が行われる場所は、撮影現場です。現場では、リアルタイムで衣装の着せ替えや、スタイリング調整を実施します。
このほかスタイリストが活躍できる場として、撮影スタジオやアパレルメーカーの広報部、スタイリスト事務所などが挙げられます。
なるにはどうする?
スタイリストになるのに学歴は関係ありませんが、高校卒業後に服飾系の専門学校へ進学し、ファッションに関する専門的な知識やスキルを身につけるのが一般的です。専門学校卒業後は、スタイリスト事務所に就職したり、プロのスタイリストに弟子入りしたりして、アシスタントとして働きます。
アシスタントとして数年間、主に裏方作業をしながら業務について勉強したあと、ようやくスタイリストとしてキャリアアップできます。スタイリスト事務所で働きながら実績を積み、ある程度の顧客がついたら独立する人も少なくありません。
必要なスキル
スタイリストとしてもっとも必要なスキルが、ファッションセンスです。番組や雑誌のイメージを反映しつつ、着る人の魅力を最大限に引き出せるコーディネートを考えなければいけません。そのためには、繊細かつ優れた感性が必要とされます。また、スタイリストはプロデューサーやディレクター、編集者など関わる人が多い仕事です。そのため、仕事を円滑に進めるためのコミュニケーション能力も重要です。
トレンドに常に敏感であることも重要なため、情報収集力も要求されます。さらに早朝から深夜に及ぶ撮影や、衣装や小物など重い荷物を持っての移動に耐えられる体力や、忍耐力も要求されます。
必要な資格
スタイリストになるために必要な資格は特にありません。しかし、持っていると役に立つ資格はあります。たとえば「一般社団法人日本カラリスト協会」が運営するパーソナルカラリスト検定は、人と色に着目した、色彩知識および配色調和を身につけるための資格です。取得すれば、その人の魅力を引き出す色の組み合わせが提案できます。
また、「全日本カラースタイルコンサルタント協会」が認定するイメージコンサルタント資格は、ファッションのスタイリングやパーソナルカラーなど、外見のトータルプロデュースができる資格です。高い信頼性につながる資格のため、取得しておくとキャリアアップに役立つでしょう。
年収
スタイリストの年収は経験によって異なります。アシスタントスタイリストの場合、年収は200~300万円程度です。しかし、実績を積むことで年収はアップし、400~600万円ほどになります。トップスタイリストになると、年収700万円以上に達するケースも少なくありません。
フリーランスのスタイリストの年収は、300~700万円と幅広いのが特徴です。駆け出しのスタイリストは、月収10万円に満たないケースもありますが、著名人の顧客を多数抱える人気スタイリストになれば、年収1,000万円を超えることもあります。
ファッションコーディネーターとは
ここからは、ファッションコーディネーターの主な仕事内容や活動場所、必要なスキルなどについて解説します。
主な仕事内容
ファッションコーディネーターの主な仕事は、店舗や展示会に訪れるお客様に対して、その人に合ったコーディネートを提案することです。接客を通じてお客様の希望やライフスタイルを把握し、服や小物の組み合わせを提案するだけでなく、売り場全体のディスプレイや商品陳列を工夫することも大切な役割です。また、広告やカタログなどの媒体向けにコーディネートを提案する企画業務も担い、ブランドのイメージを的確に表現することが求められます。さらに、次のコレクションや新商品の企画に役立てるため、情報収集も重要な仕事です。さまざまなブランドの展示会やコレクションをチェックしたり、街中の人々の着こなしを観察したりして、トレンドやアイデアを集めます。こうした活動を通して、商品企画や販売戦略に反映させることが、ファッションコーディネーターの役割です。接客力、企画力、観察力を活かし、ブランドとお客様の両方に価値を提供する仕事と言えます。
活躍する場所や業界
ファッションコーディネーターは、主にアパレルショップや百貨店など店舗で活躍する仕事です。店舗ではお客様への接客やコーディネート提案を行うほか、店内ディスプレイや在庫管理など、売り場全体の運営に関わります。
また、販売業務に直接携わらず、商品の企画開発や販売促進、キャンペーンやセールの企画、展示会やイベントのプロモーションなどに取り組む場合もあります。
ブランドの魅力を効果的に伝え、消費者の購買意欲を高める役割を果たします。働く場所によって業務の幅や求められるスキルは異なりますが、どのポジションもブランドとお客様をつなぐ重要な役割を担っています。
なるにはどうする?
ファッションコーディネーターになるためには、ファッションや商品に関する知識に長けている必要があります。そのため、服飾系の専門学校に進学するのがおすすめです。専門学校を卒業後は、希望する業務内容に合わせた企業や店舗に入社します。
販売の仕事に就きたい場合は、店舗を持つブランドやファッション専門店に就職するとよいでしょう。商品の企画開発や販売促進の仕事を希望する場合は、アパレルメーカーや商社に就職します。
必要なスキル
ファッションコーディネーターに必要なのは、ファッション全般に関する情報収集スキルです。お客様の好みや体型、要望から最適な組み合わせを提案できるコーディネート力やセンスが要求されます。
また、お客様やクライアントと接する機会も多いため、良好なコミュニケーションが取れるスキルも重要です。さらに、常にアンテナを張り巡らせて、トレンドをいち早くキャッチできるトレンド収集力も欠かせません。このほか、お客様に最適なコーディネートを提案する企画力や、販促時に必要なプレゼンテーション能力も必要といえるでしょう。
必要な資格
ファッションコーディネーターも、スタイリスト同様、なるために必要な資格はありませんが、持っておくと便利な資格があります。たとえば「日本ファッション教育振興協会」が運営する『ファッションビジネス能力検定』は、ファッションビジネスに関する知識が身につく資格です。商品をより魅力的に見せるディスプレイの方法や店舗マネジメントのスキルが取得できるため、販売の仕事に就きたい人におすすめです。
「日本インストラクター技術協会【JIA】」が運営する『服飾士』資格を取得すれば、デザインやコーディネートに関する一定の知識や資格を有する証明になります。お客様にコーディネートを提案したり、商品の企画を立案したりする際に役立つ資格です。
年収
ファッションコーディネーターの年収は、経験やスキルによって異なります。販売スタッフとして働く場合、新人は、およそ280~320万円、入社5年程度の中堅クラスで350~480万円程度です。入社10年以上経過したベテランになると、600万円ほどと言われています。ただし、雇用形態によって金額は異なります。
商品企画や、企画開発の仕事に携わった場合の平均年収は350~450万円程度です。独立した場合、初期は無収入というケースもありますが、実績を積むにつれて500~600万円ほどの収入を得られる人も少なくありません。
スタイリストに向いている人の特徴
スタイリストに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- ファッションやトレンドに敏感な人
- 人と接するのが好きな人
- 細かいところまで気配りができる人
- 体力と責任感がある人
ファッションやコーディネートが好きな人でないと、スタイリストの仕事は務まりません。常にトレンドを意識して、情報収集することが好きな人はスタイリストに向いているでしょう。また、担当するモデルやスタッフ、クライアントなどさまざまな人と関わりを持つ仕事のため、人と接するのが好きな人にもおすすめです。
現場では衣装のしわやほつれを直したり、微調整をしたりしなければいけないため、細かい気配りができることも求められます。さらに、長時間の撮影ができる体力や、最後まで責任を持って仕事をやりきる責任感も欠かせません。
ファッションコーディネーターに向いている人の特徴
ファッションコーディネーターに向いている人の特徴は、以下のとおりです。
- コーディネートのセンスがある人
- 好奇心旺盛な人
- コミュニケーション能力が高い人
- 相手の目線に立って物事が考えられる人
ファッションコーディネーターはお客様にコーディネートを提案するのが主な仕事のため、コーディネート力が必要です。また、好奇心旺盛で、流行や新しいものを発掘したり情報収集したりするのが好きな人は、お客様にさまざまな提案をしたり、商品開発や販売促進でいろいろなアイデアを出したりできるでしょう。
また、お客様と接したり、クライアントと交渉したりすることも大切な仕事のため、コミュニケーション能力も重要です。さらにファッションコーディネーターは、お客様がどのようなアイテムを求めているかを瞬時に判断する必要があるため、相手の目線に立って物事を考えられる人が向いています。
まとめ | 芸能人のスタイリストになるには「青山ファッションカレッジ」がおすすめ
スタイリストとファッションコーディネーターは、仕事内容や活躍する場所など、さまざまな違いがあります。しかしいずれの仕事も服飾系の専門学校で学ぶことが重要だという共通点があります。
たくさんある服飾系の専門学校のなかで、おすすめしたいのが青山ファッションカレッジです。流行の発信地にある青山ファッションカレッジは、ファッション業界で働くプロが講師のため、業界の最新情報や実際の業務に必要な知識やスキルを学べます。
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