衣装デザイナーになるには | 仕事内容や必要な資格・スキルも
舞台・映画の登場人物や、アイドル向けの衣装を手掛ける、「衣装デザイナー」に興味がある人はいませんか。本記事では、衣装デザイナーについて仕事内容や就職先、なるための方法について詳しく解説します。必要なスキルや資格、おすすめの服飾系の専門学校についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
衣装デザイナーとは
衣装デザイナーとは、舞台や映画、アイドルの音楽ライブやショーなど、さまざまな芸術分野・エンターテインメント向けの衣装をデザインする仕事です。
衣装デザイナーは、映画や舞台の制作会社、テーマパークやアミューズメント施設の意匠部門に所属していることがほとんどです。中にはフリーランスとして独立し、アトリエを構えてクライアントからの要望に応じた衣装をデザインしている人もいます。
衣装デザイナーが手掛ける衣装
衣装デザイナーが手がけるのは、アイドルやアーティストの衣装、オペラやバレエ、ミュージカルなどの舞台衣装、日本の伝統芸能の衣装、テーマパークやイベントショーのコスチュームなどです。
衣装デザイナーが手がける衣装は、1点ずつオーダーメイドで制作することがほとんどです。また、「着心地」や「機能性」といった面も考慮されますが、それ以上に、いかに観客を魅了し、作品の世界観を表現するかが重視されます。
衣装デザイナーの仕事内容
衣装デザイナーの仕事内容は、主に以下の手順で進みます。
- コンセプトとテーマの把握と確認
- コンセプトに合うデザインの提案
- 採寸
- 生地の選定と調達
- 縫製作業
- 制作後のフィッティング
- 衣装管理
まずは映画監督や舞台監督やアイドルの芸能事務所、イベントの企画運営会社などと作品のコンセプトやテーマについて話し合います。クライアントの要望や予算、衣装が使われる場所や用途について細かく確認することも重要な仕事です。打ち合わせの内容をもとにデザインを考え、提案します。
デザインが決定すれば採寸と衣装に使用する生地の調達を行います。生地は見た目の美しさはもちろん、動きやすさも重要です。
生地が調達できれば縫製し、フィッティングで調整して仕上げます。できあがった衣装を適切に管理し、保管することも衣装デザイナーの大切な仕事です。
衣装デザイナーになるには
衣装デザイナーになるには、服飾系の学校で学んでから就職活動をするのが一般的です。それぞれの流れについて解説します。
ファッション系の学校で知識と技術を習得する
衣装デザイナーになるには、まずはファッションに関する専門的な知識とスキルを身につけましょう。独学で学ぶことも可能ですが、服飾系の専門学校に通ったほうが、より服飾の技術を順序立てて学べるのでおすすめです。
専門学校では、デザインやパターン、縫製のほか、デザイン理論など、衣装作りに必要な幅広いスキルを身につけます。また、専門的な縫製機器の使い方や装飾技術、高度な服飾デザインについても学べます。
関連する資格を取得する
服飾系の専門学校で学びながら、いくつか関連資格を取っておくのもおすすめです。衣装デザイナーになるために必要な資格はありませんが、役に立つ資格はたくさんあります。関連する資格を取得しておけば、より専門的な知識やスキルを持っていることの証明になるため、就職活動に有利に働くでしょう。また、資格を取得しておくことで、将来キャリアアップしやすくなる、仕事の幅が広がるといったメリットも生まれます。
おすすめの資格は、後半で紹介します。
就職活動を行う
服飾系の専門学校や大学在学中に、衣装制作会社や専門のアトリエなど、自分が働きたいところを決めて就職活動を行います。就職活動では、デザインやデッサンの作品を求められることがほとんどです。これまでに制作した衣装のデザイン画や、写真などをまとめたポートフォリオ(作品集)が必要になることも多いため、事前に整理して準備しておきましょう。
衣装デザイナーの就職先
衣装デザイナーの就職先は、映画や舞台の制作会社や芸能事務所などです。それぞれどのような仕事をするのかを解説します。
舞台・演劇関連の制作会社
衣装デザイナーの主な就職先のひとつが、舞台や演劇関連の制作会社です。ここでは舞台で着用する衣装のデザインや制作を行います。ストーリーや役柄に合わせるだけでなく、出演する俳優が最高のパフォーマンスができるような衣装を作らなければいけません。
どれだけ舞台で映えるか、またどれだけ動きやすいかが重要になるため、素材選びや縫製技術に高いセンスとスキルが求められます。
映像制作・映画会社
映像制作・映画会社では、登場するキャラクター専用の衣装を作ります。脚本を読み込み、時代背景やキャラクターの個性、立場が視覚的に伝わるような衣装を作らなければいけません。特に映画では、出演者を接写することも多いため、布の質感や経年による劣化の表現など、細部までこだわった衣装作りが求められます。
テレビ局・放送関連会社
テレビ局や放送関連会社では、テレビドラマなどの衣装を制作します。映画と同じく、時代背景や登場するキャラクターの個性などを反映した衣装をデザインしなければいけません。たとえば時代劇なら、その時代について徹底的に情報収集して、誰が見ても違和感がなく、物語に没頭できるような衣装を作る必要があります。そのためには、監督や脚本家と打ち合わせを重ねたり、脚本をしっかり読み込んだりしなければいけません。
アーティスト・芸能事務所
アーティスト・芸能事務所では、コンサートやライブ、イベントなどで、アイドルやアーティスト、タレントが着用する衣装を作るのが主な仕事です。特にコンサートやライブの衣装を手がける場合は、楽曲のコンセプトに合った、アイドル・アーティストの魅力を最大限に引き出す衣装をデザインしなければいけません。
また、ステージを動き回れるような、機能性の高い衣装を作る必要があります。そのほか、「早着替え」の仕掛けを組み込む、照明によって色が変わるなど、特殊なデザインの衣装を作る機会も少なくありません。
イベント・テーマパーク運営会社
イベントやテーマパークの運営会社における衣装デザイナーの仕事は、出演者のコスチュームやユニフォームのデザイン・制作です。たとえばイベントに出演するダンサーのきらびやかな衣装や、キャンペーンでコンパニオンが着用するユニフォームなどを手がけているのが、衣装デザイナーです。
イベント・テーマパーク運営会社に就職した場合、キャラクターのイメージを損なわず、来場者が非日常の世界観を楽しめるようなデザインを考えることが求められます。
衣装デザイナーの学校の選び方
前述したとおり、衣装デザイナーには高度なデザインセンスと縫製技術が求められるため、服飾系の専門学校でしっかり学習することがおすすめです。ここでは、衣装デザイナーを目指す際にどのような専門学校を選ぶべきかを紹介します。
実践的な経験が積めるか
先ほどお伝えしたように、衣装デザイナーを採用する会社や企業の多くは、履歴書よりもポートフォリオ(作品集)を重視します。そのため、服飾系の専門学校はイベントやコンペへの参加を積極的にサポートしているところがおすすめです。
入賞すれば実績になりますし、たとえ入賞しなくても出展した作品はポートフォリオに加えられるため、就職活動で大きなアピールポイントとなります。
少人数制で高度なテクニックが学べるか
大人数での一斉講義ではなく、少人数制で一人ひとりに合わせて指導してもらえる学校を選びましょう。特に縫製技術は習熟度に差が出やすいため、少人数制なら安心です。さらに、服飾業界の第一線で活躍している講師から学べる環境なら、最新の技術やトレンドも吸収できます。人数の目安としては、20人以下の少人数で学べる学校がおすすめです。
インターンシップなど企業連携実績があるか
インターンシップをはじめとした、企業連携実績が豊富な服飾系の専門学校を選ぶこともポイントです。インターンシップとは、在学中に企業や制作現場で実際の業務を体験できる制度です。授業だけでは学べない、実践的なスキルを身につけることができます。そのため、インターンシップを活用し、在学中に実際にプロの現場での実務経験を積んでおくことで、就職後すぐに即戦力として働けます。
また、インターンシップ先にそのまま就職できるケースもあるでしょう。企業との連携がしっかりしている学校に通うことで、実務に役立つスキルや技術を磨く機会に恵まれます。
就職支援体制が充実しているか
就職サポートが手厚い学校を選ぶようにしましょう。ひとくちに衣装デザイナーといっても、希望する就職先やキャリアプランなどは一人ひとり異なります。学校選びの際は要望に沿った就職ができるよう、しっかり支援してくれるかどうかをチェックしましょう。
インターンシップのほかキャリア相談や企業の採用担当者を招いての講義など、さまざまな就職サポートを提供してくれる学校なら、安心して就職活動に取り組めるでしょう。
衣装デザイナーとして活躍するために役立つ資格
衣装デザイナーになるために必須の資格はありませんが、取得しておくと、実際の業務やキャリアアップに役立つものがあります。ここからは、その中から特におすすめの資格をいくつかピックアップして紹介しましょう。
パターンメーキング技術検定
パターンメーキング技術検定は、パターンメーキングの知識やスキルを証明できる資格です。パターンメーキングとは、平面のデッサン画を立体化して、実際の衣装に近づける作業です。パターンメーキングを行うには、専門的な知識と技術が必要とされます。
そのため、パターンメーキング技術検定を取得しておけば、就職活動に有利になります。また、衣装デザイナーとしてだけでなく、パタンナーとしての仕事も可能になるでしょう。
ファッション色彩能力検定
ファッション色彩能力検定は、服飾業界で働くために必要な色彩についての基礎知識が取得できる資格です。色彩についての知識を持っておけば、衣装を作る際に、着用する人の魅力を最大限に引き出せるカラーコーディネートが実現します。また、場面や演出、コンセプトに合った色の組み合わせが提案できるようになるでしょう。
ファッションビジネス能力検定
ファッションビジネス能力検定は、商品の企画や生産、流通といった、ファッションに関する業務を行うために必要な知識が身につく資格です。3級では商品販売に関する知識や接客技術、2級では事務処理や臨機応変な接客対応、1級では情報マネジメントやマーチャンダイジングに関する知識がそれぞれ問われます。
今後衣装デザイナーとして独立開業したい、というキャリアプランを持っている方は、取得がおすすめです。
洋裁技術認定
洋裁技術認定は、縫製技術に関する基本的なスキルからより高度な技術までを認定する資格です。検定試験では、縫製技術の精度とスピードが問われるため、取得すれば衣装デザイナーとして十分な知識とスキルを持っていることの証明になります。
階級は初級・中級・上級に分かれていますが、将来的にキャリアアップを目指したいなら、上級にチャレンジすることをおすすめします。
衣装デザイナーに必要なスキル
衣装デザイナーに必要とされる主なスキルは以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- 理解力
- 発想力
衣装デザイナーは、監督や脚本家、アイドルやアーティストたちと打ち合わせを重ね、コンセプトやイメージに合った衣装を作り出します。コミュニケーション能力に長けていないと、相手がどのようなデザインを希望しているか、スムーズに話し合うことができません。
また、監督や脚本家、演出家のイメージや意図を汲み取る理解力も重要です。舞台の世界観をしっかり理解できなければ、コンセプトに合った衣装が作れません。さらに、求められる世界観を衣装に落とし込める柔軟な発想力も必要です。
衣装デザイナーに向いている人の特徴
衣装デザイナーに向いている人の特徴を、いくつかピックアップして紹介します。
- 手先が器用で細かい作業が好きな人
- アイデアを形にするのが得意な人
- 計画性のある人
衣装デザイナーは、細部にまでこだわった衣装を制作するため、ときには繊細な手作業が必要です。手先が器用で黙々と細かい作業をするのが好きな人は、衣装デザイナーに向いているといえるでしょう。
また、監督や演出家などの話を聞いて、イメージを形にするのも衣装デザイナーの大切な仕事のため、創造力のある作業が得意な人が適しています。さらに、衣装を期限内に制作するためには、計画性を持って業務に当たれる人でないと難しいでしょう。
衣装デザイナーになるには青山ファッションカレッジへ!
衣装デザイナーを育成するためのカリキュラムを設けている服飾系の専門学校はたくさんありますが、その中でも特に専門的な知識と技術が学べるのが、青山ファッションカレッジです。ここからは、青山ファッションカレッジの魅力をいくつかピックアップして紹介します。
少人数制で一人一人に丁寧に向き合う学校
青山ファッションカレッジでは、1クラス15人以下の少人数制を採用しています。そのため、疑問点や不明点がある場合でも質問しやすく、自分に合った速度で学べると評判です。
縫製技術のレベルは一人ひとり異なります。大人数で講義を受けると、どうしてもほかの人と比べて焦ったり、劣等感を抱いたりしがちです。その点青山ファッションカレッジでは自分のペースで授業が進められるため安心です。また、先生と生徒の距離が近く、どのようなことでも相談しやすい、というメリットもあります。
実践的な授業を展開
青山ファッションカレッジの授業はホームルーム以外、ほぼ100%服飾に関する実習授業です。デザインからCAD、ソーイング、パターンメーキングなど、衣装デザイナーに必要なスキルをしっかり学べるのが魅力です。
また、企業コンペやショーへの出展など、実践的な授業を多数展開しています。もちろん出展した作品はポートフォリオに掲載できるため、就職活動に役立ちます。
アイドルの衣装作りにも強い!
青山ファッションカレッジは、さまざまな衣装づくりに挑戦できるのも魅力です。舞台衣装やオリジナルブランドの衣装のほか、アイドルの衣装づくりにも挑戦できます。
青山ファッションカレッジには、現在アイドルの衣装づくりで活躍している卒業生が多数います。そのため、アイドルの衣装を作るためにどのような知識やスキルが必要か、また、どの会社に就職すればよいか、詳しくアドバイスしてもらえるでしょう。現在、青山ファッションカレッジでは、オープンカレッジを開催しています。体験授業や平日限定の個別相談会なども開催しているので、気になる方はぜひ参加してみてください。
まとめ
発想力や創造力を駆使して衣装を制作する衣装デザイナーは、服飾や縫製に関する知識のほか、デザイン力やコミュニケーション能力も必要とされる仕事です。専門的な知識や技術が要求されるため、専門学校でしっかりと学ぶことをおすすめします。
青山ファッションカレッジは、衣装デザイナーになるためのカリキュラムと就職サポートが充実している学校です。アイドルの衣装制作にも強く、芸術性の高い衣装を作りたい方におすすめです。気になる方は、ぜひオープンキャンパスに参加してみてください。